江戸和竿の元祖『いなり町 東作本店』ハゼ釣り用の和竿|江戸の粋な職人技に圧巻!の巻

江戸時代から続く「江戸和竿」の元祖、「いなり町 東作本店」。

主に天然素材を使い、職人が真心を込め、手仕事で作り上げた美しい釣り具達が、店頭に並ぶ。

普通の釣具店と違って、ちょっと敷居が高かったが、職人が作ったハゼ釣り用の和竿がたまらなく欲しくなり、万札を数枚財布に込め、勇気を出して台東区まで車を走らせたのを覚えている。

ついに踏み入れた!そこは江戸伝統工芸の世界!

ここを訪れ、初めて和竿なるものを購入したのは、流行り病渦に入る2~3年前だったろうか。

店の近くのコインパーキングに車を止め、「いなり町 東作本店」まで歩く。

会ったことはないが、店の人は生粋の江戸っ子であることは確かだ。

出来れば長い付き合いもしたいし、シケた客だと思われたくない。

ここは一丁、威勢よく挨拶をかまして「決して知ったかぶりせず、分からないことは何でも聞く」、これに尽きるだろうと思い店に入り、「こんにちは~!和竿初めてなんですけどハゼ釣り用の竿で何かいいのありますか?」と、ご主人(7代目東作)に話しかけた。

すると、いろいろ親切に相談に乗ってくれ、使い方なんかも丁寧に教えてくれた。

「相手は江戸っ子だ!」と気構えていただけにホッとしたと同時に嬉しかった。

ハゼ釣り用『水雷竿』に決定!

ボート釣りが多かったので、「水雷竿」という3尺ちょっとの短い中通し竿を購入決定!

すると、7代目店主が2階の作業場と思われる方へ「お~い、お前の竿買って下さったぞ~」と声をかけると、職人である息子さんが降りてきて、愛想よく挨拶してくれた。

「好青年だ。」

私も気持ちよく挨拶をすることが出来た。

自分がこれから使っていくであろう竿を作った職人さんを、ちゃんと紹介してくれるなんて本当に嬉しい限りである。

人生初の江戸和竿と、サービスでくれた手ぬぐい♪さっそく記念撮影♪

家に着き、現実に戻ると「あぁ、本当に買っちまった...」という強い罪悪感を感じた。

決して誰かに内緒で買ったとかでもない。

ただ自分で稼いだ金で堂々と買っただけだ。

でも、そこは...

決してガサツな人間が踏み込んではイケない禁断の世界。

釣り竿界のフェラーリと言っても過言ではないこの和竿を俺は使いこなせるのか!?

いざ開封!

「おおっ!何と渋い!」

布製の竿入れに挨拶してくれた職人さんのハンコとお店のハンコが押されている。

もうそれだけでも「しっ、渋すぎる!本当、勇気出して買って良かったぁ~!」と感動したものだ。

この感動が罪悪感をうまい具合に中和してくれた。

そして、記念品でいただいた手ぬぐいは、もったいなくて未だに使ってない。(笑)

これが江戸和竿『いなり町 東作』の職人の手仕事だ!

角東の焼き印。

焼き印はランク別に違った焼き印が押される。

手元付近には糸巻きが付いている。

竿中間の糸の入り口。

竿の継ぎ手付近に空いた穴から穂先へと糸が通されている。

それにしても継ぎ手部分の塗りが美しく、これがまた所有欲を満たしてくれる。

中通しの穂先。

実物でないと解りづらいかもだが、このスゴく細~い竹の節をくり抜いて空洞にしてるトコなんか、本当もう職人技だとしか言いようがない。

その辺もあってか、ハゼ釣り用の和竿は高めの値段だ。

こんなの折っちまった日には食事も喉を通らないだろう。

まだ釣りに行けないので竿から錘を垂らして楽しむ。

かなり短いがそこがまた愛着が湧く。

自分的には、もうちょい長いのが欲しかったのだが、お財布が許してくれなかったのである。

実際に釣りに行った時の写真も溜めてあるので、それは別の機会に書くとしよう。

いなり町 東作本店の詳細

住所:東京都台東区東上野3-32-13
電話:03-3831-4547
営業時間:平日:10:00~19:30
土曜日:10:00~17:00
 祭日:11:00~17:00
定休日:日曜日、年末年始
駐車場:なし (近くにコインパーキングある)
交通:地下鉄銀座線「稲荷町駅」徒歩1分
   都営大江戸線「新御徒町駅」徒歩5分

 

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